データ：中国サービス業PMIが53.8%に上昇インフレ圧力は引き続き顕在化

10月の上、中旬の疫病状況は引き続き良好で、「十一」ゴールデンウィークの牽引作用を重ねて、サービス業の供給、需要は拡張態勢を維持し、景気度は引き続き改善した。

11月3日に発表された10月の財新中国汎用サービス業経営活動指数（サービス業PMI）は53.8を記録し、9月より0.4ポイント上昇し、2021年8月以来の最高となったが、長期平均54.1をやや下回った。

これまでに発表された10月の財新中国製造業PMIは50.6を記録し、9月より0.6ポイント上昇し、拡張区間に戻った。2つの業界の景気度は同時に回復し、10月の財新中国総合PMIは0.1ポイント上昇して51.5になった。

この動きは国家統計局PMIと矛盾している。国家統計局が発表した10月の製造業PMIは9月より0.4ポイント低下して49.2となり、2カ月連続で栄枯線を下回り、サービス業ビジネス活動指数は51.6を記録し、0.8ポイント下落した。2つの業界が同時に弱体化し、総合PMIは0.9ポイント低下して50.8になった。

疫病の悪影響が弱まり、国慶節連休の需要上昇を重ね、10月のサービス業の供給、需要の同時修復を牽引し、生産指数と新規受注指数はいずれも8月以来の高値を記録した。訪問企業によると、経営活動の拡大は主に新規事業の増加、国内の疫病の改善によるものだという。

外需改善は特に顕著である。各経済体の疫病からの回復に伴い、海外顧客の需要は着実に改善され、10月のサービス業の新規輸出注文量は拡張区間に回復し、6カ月ぶりの増加率となった。

需給改善は雇用の回復を牽引し、10月のサービス業の雇用は2カ月連続で拡大した。雇用を増やした企業は一般的に、顧客ニーズが上昇し、企業は生産能力の向上に力を入れていると述べている。しかし、当月の雇用指数は臨界値をわずかに上回り、9月と横ばいだった。サービス業の滞積作業量はこれまでの3カ月間の上昇態勢を中止し、全体的に安定している。

サービス業の価格は上昇を続け、インフレ圧力は引き続き現れている。10月のサービス業の投入価格は16カ月連続で上昇し、9月よりスピードアップした。調査された企業によると、人件費と原材料の価格が上昇し、サービス業の経営費用を押し上げ、企業のコストが圧迫された。同時に安定した市場需要はコストエンド圧力の部分を下流に伝え、サービス業の販売価格指数は3カ月ぶりに最高となり、過去平均を上回った。

10月のサービス業企業は経営見通しに楽観的だったが、楽観度は7月以来最低に低下し、長期平均値を下回っている。訪問先企業は疫病が好転し続け、新規事業が増加すると予想しているが、コストの上昇やサプライチェーンの障害が今後1年間の経営に影響を与えることを懸念する企業もある。

財新シンクタンクの王迵高級経済学者によると、9月下旬から10月中旬にかけて、疫病が経済に与える悪影響はやや弱まり、市場需要は好調で、供給はやや弱まり、製造業は明らかにサービス業より弱かった。供給制約は経済運営に影響を与える最も重要な要素となっている：原材料不足、大口商品価格保障、電力供給不足を重ねて、製造業企業の生産に制約を形成し、サプライチェーンの安定を破壊し、サービス業企業にも顕著な影響を与えている。インフレ圧力は引き続き高騰し、下流企業の狭間で生存圧力が際立っている。政策面では、大口商品の安定供給に効果的な措置をとるだけでなく、下流企業、特に中小企業の生存状況にも重点的に注目しなければならない。また、10月下旬からは新たな疫病が複数の省に波及し、経済への悪影響が巻き返し、有効な疫病予防と正常な経済秩序の維持には統一的に配慮しなければならない。