「合意なき離脱」を強行、ジョンソン氏とEU残留派が議会で激突

「合意なきEU離脱」を見たくない英野党党首は8月27日、英議会レベルでの「合意なきEU離脱」阻止を求めた。一方、ジョンソン英首相は議会上院により強硬な「EU離脱」派を「輸送」しようとしていると報じられた。英メディアは、「EU離脱」の成否をかけた争奪戦が英国議会で間もなく上演されるとコメントしている。

ジョンソン氏は先週末、フランスでG 7サミットに出席した際、英国は「合意なき離脱」の問題を簡単に処理できると述べた。英紙ガーディアンはジョンソン氏の言葉を引用して、英国は「合意なき離脱」の準備を急いでいるが、目的は10月31日の計画「離脱」の期限が来る前の最後の瞬間にEUと合意することを確保するためだと報じた。

しかし、英国メディアは目下、ジョンソン氏がどのように「合意なきEU離脱」計画を英国議会で最終的に可決させるかに注目している。英インディペンデント紙は27日、ジョンソン氏が欧州残留派議員が支配する現在の局面を変えるために、「EU離脱」を支持する人物をより多く議会上院に選出する計画だと報じた。英紙ガーディアンは同日、労働党シャドー内閣のチャクラバティ検察総長の話として、ジョンソン氏が「合意なきEU離脱」を強行するために議会を閉鎖すれば、「深刻な権利乱用」行為、英国憲法原則への攻撃になると報じた。ジョンソン氏は司法再審の挑戦に直面するだろうが、裁判所もこの危機の中で英国議会の上下両院の議員が憲法に与えられた役割を果たし続けるための臨時禁制令を発布する可能性が高い。

英紙タイムズが27日付で報じたところによると、「合意なきEU離脱」を見たくない英野党は同日、議会という戦場でジョンソン氏を倒す方法を話し合う党首会議を開いた。英国の野党労働党党首コルビンを代表とする野党要人たちは、10月31日にジョンソン氏が首相の職権を行使し、保守党政府が「合意なき離脱」計画を実現するまで議会を休会させることをどのように阻止すべきかを含め、議会でどのような戦略を講じるべきかを検討している。英BBC放送は27日、同日の会議にスコットランド民族党、自由民主党、ウェールズ地方政党を含む複数の野党指導者が参加したと報じた。同日の声明によると、「立法の通過や政府への不信投票を含む、英国の合意なき離脱を阻止するための実行可能な案を模索することが現場で合意された」と述べた。労働党は同日、5人の保守党議員にも参加要請し、保守党のクラ福祉議長は、労働党が混乱を作り出していると答えた。英国にさらなる激動をもたらすだろう。

英国は「合意なき離脱」が必要だと主張する英EU離脱党のファラッチ党首は27日、EU残留を主張する野党の会合開催を批判した。ファラッチ氏は、このようなやり方は完全に民意を顧みないものだと考えているが、「合意なきEU離脱」は今や英国人が受け入れる唯一の選択肢となっている。コルビン氏は27日、英紙インディペンデントに、ジョンソン氏の「合意なきEU離脱」計画を阻止するために必要なすべての措置を講じることを検討すると書いた。しかし、野党各党は労働党を含めてこれまでコルビン氏の「反体制臨時連立政府首相」就任提案に冷淡な反応を示してきた。

ジョンソン氏は以前、英国が「合意なき離脱」を選択すれば、390億ポンドの「別れの費用」の支払いを拒否すると提案していた。英紙フィナンシャル・タイムズはEU側の話を引用し、英国が「別れの費用」を全額支払わなければ、EUは英国と他の国との二国間自由貿易協定の締結を阻止するだろうと報じた。

現在、英国とEUの交渉は進展しておらず、ジョンソン氏は紛争があるアイルランド保障条例の削除を望んでいるが、EUは交渉の再開を望まないと表明している。数日前、ジョンソン氏がドイツのメルケル首相と会った時、後者はわずかに「口を緩めた」ことがあり、30日以内にEU離脱協定を改正するなら、英国は実行可能な案を提出すべきだと述べた。